『認知症予防のためにできること』東京都健康長寿医療センター理事長に聞く戻る
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認知症の発症に糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病が非常に大きな役割を果たしているということが、ここ4年から10年の研究で明らかになってきています。認知症にならず長く生きる、老後を楽しむためには、適度な運動、バランスのよい食事、社会に参加して脳に刺激をあたえる、こういったことが重要なポイントです。

 

新井千晶:認知症というと、私たち一般の者は「糖尿病かしら」と、まずそこが原因かなと思うのですけど。
井藤英喜先生:そうですね、認知症と糖尿病が非常に関係があるというのは、ごくごくここ数年の最新のトピックのことで、そういったすごい質問が出るとは良く勉強されているんだなと驚きますけれども(笑)。
認知症に関して、あるいは要介護状態に関しては、われわれ研究所の研究も含めて、意外と予防ができるんだということが最近わかってきました。予防には二つ柱があって、一つは運動、あるいは食事といった生活習慣を適切なものにすることが、認知症の発症をかなり予防できると最近わかってきています。
もう一つ、まだ予防にきくかわかっていないのですけども、認知症の発症に糖尿病とか高血圧とか脂質異常症といった生活習慣病が、非常に大きな役割を果たしていることが、ここ4年から10年の研究で明らかになってきております。
そういう意味では、先ほどいいました通り、中高年期、中年期からの生活習慣病の適切な管理ということも認知症予防につながりますし、高齢期になってもしっかり運動する、しっかり歩く。いろいろな刺激を頭に与えるという意味で閉じこもってるのではなくて、社会に参加する。講演会であるとか、あるいはおしゃべりを楽しむ、こういったことが非常に大事なんだろうという風に思っております。
そして、認知症予防に関しては、バランスのいい食事をとる。肉、魚をしっかりとって、同時に緑黄色野菜を中心にして、野菜をしっかりとることが非常に有効であるということも分かってきました。地中海食、これは南欧の国で、オリーブをたくさんお料理に使って、野菜をしっかりとる。しかもタンパク質は肉だけでなくて魚もとる。こういう食生活を地中海食というのですけれど、こういう食事をとっておられる方は、認知症になりにくいというようなことも分かっております。
まあ、そういったことで健康長寿、認知症にならずに長く生きる、老後を楽しむためには、運動、食事、社会参加、こういったことがキーポイントになると、われわれも思っております。

カテゴリー : 『生活習慣病予防』東京都健康長寿医療センター理事長